2017年5月16日火曜日

魔法の言葉

以前より、業界の低迷・矮小化について見ていますが、
最近感じることがあるので少し触れてみたいと思います。

ここ数年で起こった植物のムーブメントは、今なお
その波に乗ろうとする人々によって増幅されており、
一昔前では考えられないくらい、いろんな植物を
目にする機会が増えました。

そこで話題になったのが「ビザールプランツ」と言う
言葉です。
沸騰ワードでも取り上げられたこの言葉は、植物に
多少なりとも興味があったり、インテリアとしての
植物を扱っている層に拡大していったと思います。

すなわち、植物を探しているであろう層には
「ビザールプランツ」という言葉でアピールするのが
商売上手っ取り早いと言うことです。
metaタグにもハッシュタグにも仕込んでおけば、
新規のお客様が期待できるかもしれません。


そして、水草界隈にも登場しました。

「パルダリウム」

これぞ魔法の言葉です。
もう今はここに寄せておけばOK(笑)
先日のイベント会場もなぜかBBの会場、
雑誌も矢継ぎ早に特集を組む。

個人的には昔のFMを見て、水草水槽と
パルダリウムの繋がりに興味を持ちましたし、
その記事の模索具合も好きでした。なので
楽しいジャンルであるのは間違いありません。
そして自由に様々な楽しみ方が発見できると
思っています。

しかしながら、水草水槽からの派生として
「アクアテラリウム」と言うものがあります。
そして90年代、あの熱い時代に生まれた
「オープンアクアリウム」と言うものがあります。
これらも想像力と創意工夫でいくらでも
楽しめるのですが、すべてを「パルダリウム」
として飲み込んでしまうことは、個人的には
少し違うんじゃないかと感じてしまいます。

現状、「パルダリウム」の概念や定義が
こう言うものだ、と言うコンセンサスが
取れていない。
せっかく何十年ぶりに再び多くのユーザーに
注目され始めたのですから、本気で
広めたいのなら、まずはそこからじゃないかと
思います。
この業界の最も苦手な「啓蒙」ってやつです。
やってるの見たことないですが。。。


2017年5月8日月曜日

「ホレマニー」と「ウルグアイエンシス」 Part4

今回で4回目となりますが、やはり書き始めると
あれもこれもとなりますね。。。

さて、前回までは入荷の歴史と言いますか、
今までの流れみたいなものを見てきましたが、
今回はそこに付随して、ファームにおける
本種の扱われ方と言いますか、どういう形で
入荷があったのかを見てみましょう。


Part2でも触れましたが、ホレマニーグリーンの
メイン?の入荷はオリエンタルアクアリウムの
組織培養と思われる小さな株でした。

同じ画像ですがオリエンタルのカタログからです。
ちゃんと'Green'と書いてあるのがポイントですね。
このホレマニーは本当に出回らず、存在を知っている人、ましてや
複数回入手できた人は水草マニアで間違いないのではないでしょうか。
結局育った姿は一度も見たことがありません。
しかしながら、この時点でオリエンタルがホレマニーの元株を
所有していたことになりますが、当然のように入荷は止まります。

そして、入荷ルートはヨーロッパに移ります。
もうこのファームを知っている人の方が少ないでしょう。
オランダのストッフェルズ。
ここの水草を覚えているというのは水草マニアとしては
なかなかのステータス(笑)
水草の最先端は何事とも同じで東京でしたが、ストッフェルズに
関しては、色々あってむしろ関西での存在感の方が強かった
かもしれません。

オランダのストッフェルズ社のタグです。
ホレマニーのグリーンとレッドがあります。
大阪の業者2社が輸入していたため、珍しく
関西発信のファームだったのではないでしょうか。

ホレマニーグリーンが日本に上陸した数は恐らく
ここがトップ。あれだけ入荷したのにどこに
行ったのやら。。。
後に来る南米有茎ブームの裏で廃棄されて
しまったのかもしれませんね。
ナローリーフではありましたが、しっかりと
ホレマニーグリーンしていたと思いますので、
ストッフェルズ自体はホレマニーの本物を
ちゃんと認識していたと言えます。

次はオランダからドイツになるわけですが、
我々はデナリーにオーダーを入れ続けていました。
エキノドルスに強いファームな上に、カタログには
レッド、グリーンともに掲載されていましたから
当然いつかはと期待していましたが、なかなか
入荷しませんでした。

古い方のカタログ(英語版)です。
写真を見る限りは本物、しかもブロードです。
しかしながらまとも入荷せず。下のE141は
ホレマニーレッドです。

ようやく来たと思った水上葉は水中葉が出ると
なんと赤系の改良品種と思われるものでした。
その後、本物が来たかどうかは忘れてしまいましたが
まともに来た記憶は無く、もしかしたら数株あったかも
しれません。これに関しては記憶が両方に振れています。
すみません、もう20年くらい前の話なので(笑)

そのずいぶん後にホレマニーとしての入荷はありました。
しかしながら、ホレマニーグリーンは私の知る限り
ウルグアイエンシスでした。しかしながら、やや変わった
個体で、見たことのないタイプのようでした。

プラのタグがホレマニーレッド、紙タグが
ホレマニーグリーンです。デナリーのタグは
昔はすべて右側の紙タグでした。個人的には
プラよりデナリーらしいので紙の方が
カッコイイと思ってますが。。。

デナリーのホレマニーを待っている間にバースの入荷が
始まり、本物のホレマニーグリーンが入荷することとなりました。
これは確かブロードだったと思います。

緑に輝くHBDのロゴ。

さて、この写真ですが…気付いた方は鋭い(笑)
そう、ストッフェルズと同じなんですね。
当時バースのファームは輸出を始めたばかりで、
恐らくはタグの準備が完全に出来ていなかったと
思われます。
後にオリジナルタグに変わりますが、その頃には
ホレマニーが来ていなかったような記憶があります。

最後に来たのがチェコのラタイです。
多くのエキノを記載しているラタイ氏のファームと
いうことで期待が高まりました。

ラタイのタグです。どうにもホレマニーの
記憶が無いのですよ。。。と言うことは。。。

ラタイから様々なエキノドルスがもたらされましたが、
玉石混淆であり、良さげなものだけ抜粋するのも
大変でした。もちろん、ここからしか入荷しなかった
種類もありました。
そこでホレマニーですが、記憶が殆ど残っていない。
個人的な興味のメーターが振れたものは必ずどういう形であれ
記憶に残っているのですが。。。
結局ウルグアイエンシスがホレマニーレッドであったので
かすかな記憶を手繰り寄せるとホレマニーはウルグアイだった
ように思います。

その後確かラタイの入荷が途絶えるかどうかの頃だったかに
オリエンタルと思いますが、東南アジアのファームから
ワイルドのホレマニーグリーン(ブロードリーフ)と
同タイプもホレマニーが一度だけ入荷しました。
恐らくこれは日本から増殖株があちらに渡り、生産を
試みたのだと思います。しかしながらその後二度と
入荷することはありませんでした。

結局、ホレマニーは商業的に生産するには不向きな
エキノドルスで、ファームでもトライするものの
長続きしないのが実情だと思われます。
水草自体が飛ぶように売れて、ホレマニーのような
非常に効率の悪い水草もアイテムの1つとして
作っておくか、と言う余裕が世界的になくなり、
なんでもかんでも効率や採算、利益が最優先課題と
なってしまいました。いずこも同じ。
ホレマニー同様、当たり前のようにあった水草も
ラインナップから人知れず消えていっているのが
現状です。

。。。たぶんPart5に続く

2017年4月15日土曜日

蜘蛛の糸は見えているのか

以前から当ブログでは、熱帯魚業界、もちろん
水草業界の矮小化について指摘してきました。
その流れは止まることなく、今もなお進行しています。

もちろん、その中でも住人達は生き残らなければならず、
その手段を模索し続けているわけです。
しかしながら、以前より危惧している水槽の小型化や
流通する生体(水草・熱帯魚)とショップの没個性化は
更に加速しています。

この業界の良くない点と言えるかもしれませんが、
売れるものや売り方を創造せず、売れているものを
教えてもらってそれに追随する。
そしてアピールしようとしても、残念ながら
内向きのベクトルしか持ち合わせていない。


水草業界、そしてその中にある異端な範疇である
私が身を置くこの狭い世界では、時として傑出した
ジャンルが発生します。もちろんそれには理由があり、
あたかも自然発生的に突如取りざたされたように
見えますが、概ね説明がつきます。
そして、そのジャンルは徐々に盛り上がりますが、
極々狭いエリアでやっているので、絶対数に限りが
あるため、ピークアウトしてきます。
歴史的にはその膨張と破裂の繰り返しで成り立って
いるのですが、以前の記事にも書いたように、
もう何が売れるかわからないこのご時世、隣で
売れているものをよくわからないまま取り入れて
とにかく売る。最近はそう言った状況かと思われます。

個人的には水草水槽の限界を感じつつ、何年も
前からダッチアクアリウムの時代からある楽しみ方を
もう一度見直そうと考え、また、Patrick blancに
感銘を受けたこともあり、それらを日本的な楽しみ方、
水草水槽的遊び方に出来るのではないかと言う
発想の下に、10年ほど前からアイテムの幅を
広げると共に、そこから生まれる様々な角度からの
アプローチで水草水槽と水上育成・観葉植物との
連続性を考慮した楽しみ方を模索していました。

しかしながら、こう言うことがアクア業界では
ないところから起こったために我々の範疇でも
大きく動きがありました。ここ2~3年のドタバタ劇は
皆さんの記憶にも新しいでしょう。
私の考えていたことは概ね外れておらず、そういった
流れになったのはある意味では良いのですが、
前述したように何が売れるかわからない水草業界に
食い込んできた特殊な観葉植物の動きは、
ショップを動かし、問屋を動かし、そしてメーカーを
動かします。

先日、とあるイベントへ足を運んだのですが、
そこでは様々なことを感じざるを得ませんでした。
当然ながら業界には先の見えない状況があり、
それを何とかしたいと思う少数の人たちが居て、
そして何年も前から感じていた植物のムーブメントを
利用しなければならない状況が混在しているのですが、
プレイヤーそれぞれの各指標の乖離が激しかったり、
現状の認識にズレがあったりと、かなりちぐはぐな
状況があります。

これには様々な理由が存在しており、その一端を
垣間見てきたわけですが、現状を見る限り
なかなか難しいように感じました。
もうしばらくこの業界に居ますので見続けて
いこうと思います。