2013年11月26日火曜日

水草水槽は文化となり得るのか

若かりし頃、水草に夢を持ってこの業界に入ってきた
現・業界人、ショップ経営者のみなさんはタイトルにある
「水草水槽を文化に」と言うことを一度は考えたことが
あると思うがどうだろうか。

そう言えば、最近でもそう言った言葉をどこかで聞いたことが
あるような気がする。

まず個人的な答えから。


「No」


そう、なり得ないのである。
残念ながら。
もちろん、凝り固まった個人の考えなので
「いや、そんなことはない!」と言うご意見もあると思う。

そう考えられる理由を挙げてみる。

まず市場規模が拡大しない点にあり、
併せてそこには日本独特の理由もあると思われる。

・メーカーによる小型化戦略
  →簡単に始められるが簡単に処分できる
  →収容生体の減少→売上減
  →収容生体の種類の限定→多数の店舗存在意義減
・地震
 →破損・火災等のリスク
 →住宅事情(マンションが多い=水漏れトラブル)
・電力事情
・価格下落(=価格競争)の早さによる問屋・ショップの買い控え
  →当然消費者の買い控え
    →様々な機会損失
・消費者間の流通・利殖行為の簡易化
  →ショップ販売機会減
    →仕入れ・モチベーション減
      →特化型ショップの意識・モラルの低下・個性の消失
・日本の家屋内でどこか浮いた存在の水槽
・メンテ・リース
 →一般個人宅に不向き
 →所有者の思い入れ低
  →レンタル観葉植物と差が無いのにコスト高
・レイアウト
→国内状況はすでにレベル的にMaxに近い?
 メディアへの露出なし
 有名人の起用等なし→利益に直結しない
 =先行投資として大き過ぎる上に
  リターンが予測不能
・広告宣伝自体が完全に内向き
 →すでに興味がある・やっている人に対してのみ
   (=広がり無し)
   →目新しさ無し

以上のような観点から、誰の家にも水草水槽が
あって、水草水槽文化と言うものが日本に定着する
と言う事は考えられない。

文化にする必要が無いと言うのが個人的な
結論となっている。
もちろん、水草好きである私がそう言った活動なり
考えに反対している訳ではない。
水草の事を誰もが知っていると言うのは喜ばしいことだ。
しかしながら、今までの状況から考えるとどうしても
その道筋が想像すら出来ない。

映画に使われてもCMの一部に用いられても
市場には波風は立たない。
すなわち世間一般からはいつまで経っても
どこか違う世界の、距離のある存在なのだ、
水槽は。

現在は割と地味な世界でも良いと思っている。
趣味の世界は自分の中だけで広がっていれば良い。

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