2016年8月11日木曜日

水草業界の分水嶺 (1)

最近の水草の流通はどうなっているのでしょう?

昔から変わらないのは、海外のファームから
問屋が輸入して、それを小売店が仕入れる。
または、主に九州の阿蘇あたりの国内ファームから
問屋が仕入れ、それを小売店に販売する。
その2点だったと思います。

昔から魚などはあったと思いますが、南米有茎や
エキノドルスブームの頃からは、小売店が栽培したものを
問屋に卸す、と言う逆方向への流通も目立つように
なりました。

そして更に近年の傾向として、メーカーなどが器具ではなく
水草を販売することに注力し始めたことが、個人的には
意外と大きな動きだったと感じています。
これは器具だけでは利益率の改善が見込めないことや、
販売数(売上高)の伸び悩み・減少に起因するのだと思います。

そもそも良いものを作れば売れる、当然良いものは
それなりの価格になる、と言うのが普通ではあります。
そしてしばしば趣味の世界ではそれがある程度通用する
ことがあります。理想的ですね。
しかしながら良いものはそもそも壊れにくい上に、
それなりの価格と言う点、併せて使い続けて愛着が湧く、
と言うことを考えると短期間での回転が見込みづらくなります。

景気が良く、誰もが趣味に時間もお金もかけることが
出来るご時世であれば、その良いものが新規ユーザーに
売れ、ヘビーユーザーは古くなったりデザインが変われば
新たに買い直す、と言う需要が見込めますが、現状は
まったく期待できません。
そうなると消耗品で、となるのですが、そもそも水草水槽で
考えた場合、殆ど消耗品が無いんですね。

詳細を見てみましょう。

<年単位で買い替えることはないもの>
・水槽
・照明
・フィルター
・キャビネット
・CO添加器具類
・タイマー
・ハサミ
・ピンセット
など

<数か月単位で買い替えることはないもの>
・底床
・肥料類
など

<1か月程度で買い替えるもの>
・CO2小型ボンベ

しかしながら小型ボンベは水草をやればやるほど
業務用の大型ボンベを使うようになりますし、
現状、小型ボンベを使うライトユーザーの人数が
拡大しているとは考えられません。

さぁ、あとは何が残っているでしょう?(笑)
そうですね、水草と魚・エビ類(いわゆる生体)です。
更に、自社で効率よく低コストで生産出来て、
輸送コストやリスクが低いのはどちらでしょう。

もうおわかりですね。

「水草」

です。

不文律みたいなものはそのうち破られるものでは
ありますが、例えば問屋が小売りをやる。
まぁ大卸価格で仕入れて小売りが出来るのだから
価格面では絶対的に有利ですよね。
小売店からしたら完全に反則です。なので、
「基本的には」やらない。まぁやってますけど。

もちろん、誰が水草を小売店に卸すのかは自由です。
決まりなんてありません。
ただ、メーカーが水草を生産してショップに直接卸すと
いうことは、つまり水草を輸入したり、国産ファームから
仕入れて小売店に卸している問屋の領域を食う訳です。

これも流れとしては仕方がないのかもしれません。
以前にも申し上げたと思いますが、市場に対して
業者がまだ多すぎます。干上がる池の僅かな水の
中に魚がひしめき合ってるのですから。
どうあがいても販売数が伸びないのであれば、
利益率を上げるしかありません。そうなると
発想としては水草の生産に行きつくわけです。
水草に携わっている商売人として当然の成り行きだと
思います。


そして現在、上記の流通の変化に加え、水草の販売方法は
大きな転換点を迎えたのです。

次回はそこを掘り下げていきたいと思います。


。。。続く


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