2016年10月30日日曜日

ピクタム マイノリティ (5)

とりあえず最終回です(笑)

今回はちょっと変な緑三色やバイカラーの
扱いになっているものの、よくわからないタイプを
ご紹介致します。

元々、白が入っているように見えたり、入ってるの
だろうけど、模様に入れるべきかどうかと判断の
わかれそうなタイプです。
画像が多くなるので葉のみ掲載しています。




緑三色?別物?
サイレントアンダー AZ1212-3
模様の面積が多めの緑三色と言った印象。
しかしながら主脈付近にもう1色白っぽい色が
乗っています。これが消えないんですね。

2色目の黄緑の中にもう1色薄い緑があるのが
わかりますね。これで緑三色なのですが、やはり
中央の白っぽいのが気になります。

全体的に変な感じ
パダンチャンプールbパッチ AZ1012-10b
ご存知キャッスルで有名なPDNCのbパッチ。
ほぼバイカラー状態で、キャッスルとは似ても
似つかない配色です。これは更にはっきりと
中央に白が残っています。葉の形が思いのほか
丸っこくなり、これはこれで良い感じです。

凄く分かりにくいのですが、主脈から外側に
向けて極々薄く3色目がじわっと広がって
いるので、一応緑三色ですが、やはり真ん中が
気になりますね。これをどう呼ぶべきか。。。
あと地色と黄緑が重なって1色作ってますね。
一応白入りでした。
AW1302 (AW=A産地白入り)
調子がイマイチの株で申し訳ない。。。
うっすら主脈が白いです。このパターンは
葉先の方が白の幅が広いことが多いですね。
模様の配分としては全体模様でかなり良い。

少し前の葉です。やはり中央の白が見えます。
新芽よりやや小さい葉ですが、やはり全体模様で
個人的には観賞価値は高めだと思います。
同じく白入りでした。
BW1302 (BW=B産地白入り)
珍しくやや細葉系となっています。
AWと同じく白入りとして入荷してますが
白は主脈に収斂してしまうパターン。

やはり葉先と葉柄(ようへい)付近に出ますね。
これは他のタイプでもあることですが、この僅かに
出てくれる白がややこしくするんですよね。。。


すわっ!モザイク!で有名?(笑)
モザイク 2 AZ0912-2
幼株は本当にニルバーシュにそっくり。
結局模様は派手に散ることはなく中央寄りで
収まっています。ただし、Maxまではまだ
育てていないのでこれから検証します。

そこそこの模様が出ても良いサイズで
この状態ですからある程度はこの感じで
間違いないと思います。模様はよく見ると
マルチカラーの配色になっているんですね。
使ってる絵の具はニルバーシュ等と同じと
言うことです。ただし模様の構成が劇的に
異なっている。これもピクタムの不思議なところ。


これらのタイプは緑三色とも言い難く、はたまた
マルチカラーとも言えず、なんとも扱いを悩みます。。。
グループ分けをしたいところですが、良い名前も
思いつかない。サイレントアンダー、チャンプールアンダーが
白が入ると思いきや緑三色系?と言うこともあって
一時期アンダー系と言う言葉を用いるようにしていましたが、
~~アンダーと言う名前でそれなりの物が出たり、
チャンプールアンダーも育てばほぼマルチ系になることから
それらを一緒に括るわけにもいかず、呼び名は宙ぶらりん。

まぁ集めている人は日本に1~2人くらいしかいないと
思われますので特に分けなくても大丈夫かもしれません(笑)
しかしながら、人知れず無くなっていくのも寂しいですし、
こういうグループもあるということは情報としては無益では
ないと思うのでご紹介してみました。

今後、緑三色と出会うことがあれば、それがどういった
傾向の株なのかと言う1つ目安になれば幸いです。

緑三色の連載はひとまずこれで終了です。

2016年10月28日金曜日

ピクタム マイノリティ (4)

引き続き誰得な緑三色のご紹介。
AZ便が続きましたので、気分を変えて(変わらない?)、
他便の緑三色を少しご紹介したいと思います。

実はまだAZ便も残っているのですが、いつ終わるのか。。。
という空気も無きにしも非ずでしょうし、良い感じに
育っている株のストックも無くなってきたこともありますので
次回を最終回にしたいと思います。


では、早速いきましょう。


産地は同じでも様々。
TB便 AG(=A産地緑三色)
サンプル1
葉は比較的早い段階で細目。
模様は中央よりだが、まだMaxには
なっていないので最終形は不明。
同株の別の葉。やはり模様はまだ中央寄り。
ただし、黄緑の中に地色の細かい散りが
増えています。縁のウェーブも顕著。
葉を横から見たところ。
縁の波打ち度合いがよくわかります。
なかなか細かくて良い感じです。
サンプル2
模様の構成はサンプル1とほぼ同じと
思いますが、やや散る感じ。葉の形状が
同程度のサイズでこちらは普通の葉っぱと
言った形で、縁のウェーブは殆どありません。

標準的な形状。濃い色の散りは入ります。
サンプル3

やけに腹筋っぽい(笑)模様は主脈から外側に
滲むように少し広がるだけ。まだ完全に
成長したわけではないのですがある程度の
サイズではあるので、散らないタイプでしょうか。

よく見ると主脈は白いんですね。
1枚目の写真では先の方だけ白がわずかに
広がっているのが見えます。幼株表現の名残か
葉の付けの付近にも白が見て取れます。
そして3色目の緑が殆ど見当たらない。
なので、緑三色に入れて良いのかも不明。
極々稀に黄緑らしきものが見えるのですが
もっと大きくしないとわからないですね。。。

 C産地のは珍しいか?
TB便CG(=C産地緑三色)
葉の形状はピクタムらしい標準的なものです。
模様の分量が多く、まだ成長の途中ですが
地色の面積の方が少なくなりつつあります。


よく見ると縁がギザってますね。これも良い感じです。
模様の面積は地色と完全に逆転しました。
一見反転と言いたくなりそうなこの状態は「反転」ではなく、
単に模様の面積が広くなり模様の間から地色が見えているだけと
考えています「反転」は地色であるはずの濃い色が模様になり、
2番目の明るい色が地色になっている状態と、私は認識しています。

最近はもうあまり見かけない?
LA便 アチェの緑三色
やはりニアスやシボルガの物とは雰囲気が
異なる感じですね。それほど数を見た訳ではありませんが、
葉先に向かってスッと尖る印象がありますね。


この株も地色より模様が多いですが、模様に隙間が
あまりない状態で広がっているので反転っぽくは
見えません。つまり上のCGとは模様の位置が
違うだけです。また、AGのように濃い緑が薄い緑に
散るのではなく、薄い緑が地色に散っています。

あと手持ちがありませんが、実は神畑のPシリーズと言うのが
結構特徴的なんですね。一度仕入れましたが特徴的でした。

AZ便以外にも様々ある緑三色ですが、おそらく多くが
2012年までの入荷で、それ以降は模様が派手な
マルチカラー系や、白(純粋な白は無い)や銀などの面積が
多く、出来るだけコントラストのキツいタイプなどに人気が
大きく偏り、緑三色の需要が極端に減ったため
入荷は殆ど無くなりました。

まぁ需要が無いので、「ルーツさんが言うから採ってきました~!」
とか、ピュアな瞳をキラキラさせて山のような緑三色を
抱えて来られても困るだけなのですが(笑)

次回は緑三色として扱ってはいますが、そうとも言いにくい
異端児的?なタイプもご紹介したいと思います。今回掲載した
AGのサンプル3に近いようなタイプですので、これも
そこへ入れても良いのかもしれませんが、どれもが微妙に
違ったりするので悩ましい所です。仕方ないので(笑)引き続き
すべてを育成している次第です(笑)

2016年10月27日木曜日

業界の危機的状況? (2)

前回は観賞魚業界全体の近況を見てみました。
そして今回は水草界隈について簡単に。


少し前に出たアクアライフですが、満を持して??の
パルダリウム。
ビザールプランツ絡みもあってか、新コーナーまで
出来ております。
ビバリウムガイドか別冊的なもので良いような気も
しますが、どうなのでしょう。。。

そしてアクアプランツ。
もう水草では1冊作れないんですね。仕方ありません。
自身の店を考えても重々承知しております。
こちらは一応ショップですので、市場の体感温度は
日々感じていますが、そうでない人たちは色々と
気付くのにかなりタイムラグが生じるんですよね。

レイアウトだけでは同じことの繰り返しになりがちですし、
かと言って、もうマニアックな水草の特集など組みようも
無い。器具なんてもう何年も代り映えしないので
改めて特集するものでもない。
パルダリウム、ビバリウム、器具や素材の比較、
その辺りはアクアプランツである必要性は無いんじゃ
ないかと感じます。
まぁ水草と言うコンテンツがその他植物と絡めないと
書籍として成立しない、もうそのくらいの位置に
来てることの証左ですね。

そしてどうして水草業界がそうなってきたのかと言う
理由の1つが示されたページがその中にありました。
そういう認識が共有されているのであれば、先は無いと
思って間違いありません。


話は変わりますが、以前からあったものの最近
クローズアップされることが急増した超小型アクアリウム。
水槽ではない容器、もう水を入れる容器でもないもので、
手のひらに乗るようなサイズの「いれもの」。
当ブログでも何度となく指摘しているアクアリウムの
小型化の最終形と言っても過言ではありません。
「いれもの」が小さくなる弊害は以前の記事に書いてあります。

いれものが水槽ならまだフィルターだのなんだのと
小さいなりにもアクア用品が必要ですが、それすら不要、
と言うか付けることが出来ない構造だったりします。
そして「いれもの」自体もアクア用品ではありません(笑)

もしかしたらそれがきっかけで水槽を買う人が出てくるかも
知れない、と言う声も聞こえるかもしれませんし、
もちろん私自身もアクアリウムへの入り口は多ければ
多いほど良いと考えています。しかしながら、このシステム?は
製作者の技量によって維持されている部分が大きく、
初心者がそれを引き継いだところで、綺麗に維持できる期間は
大して長くはないのではないかと考えられます。

商売としては売れてしまえばOKでしょうし、余裕のある方は
コンディションが崩れれば出張メンテ、またはそのものを
引き上げてもらい代わりを置いてもらうというリースの
観葉植物扱いでも良いのかもしれません。ただし、それは
アクアリウム人口を増やすことにはならなず、そこの商売が
上手くいっているだけなんですね。


世の中も一部は潤っているものの、目に見えて景気が
良くなっていると体感できるわけでもありません。
何年も前からアクアリウム自体もいかにローコストで
やるかが至上命題のようになっていて、何のために
アクアリウムをやっているのかわからない状況です。


今後も更なる衰退が待っているのかもしれません。



2016年10月20日木曜日

業界の危機的状況? (1)

何年も前から水草業界は衰退の一途であると、当ブログで
様々な理由と共に申し上げてきたわけですが、それらは
意外と古い事実からの考察でした。

今回は近々の出来事などから見ていきたいと思います。
まぁ水草業界と言うよりは主に観賞魚業界全体で
今年は色々とありましたので、ざっくりと見てみます。


業界内でもメダカと共に売り上げを支えているのが
金魚だと思われますが。。。

水産動物の検査について

私は金魚を扱っていないので、輸入金魚が
現在流通しているものの何割程度を占めているのか
知りませんが、近年はかなり多くなっていたように
聞いています。
ある筋の努力で最小限に抑えられたようですが
全面的にとなっていたらなかなかのダメージで
あったと考えられるようです。



少し前の話になりますが、5/19に中部以西の方には
割と馴染み深いところが民事再生法の適用申請。

そして7/29、関東でも似たような業態の会社が民事再生法の
適用申請を行いました。

約2か月の間に何店舗ものペットショップを展開する2社が
このような事態に。

もちろん、特定の会社がそうなることイコール業界衰退と
言い切るのは乱暴ではありますし、その会社がどういう
経営を行ってきたか、と言う点を無視するわけには
いきませんが、少なくとも熱帯魚が「流行って」いれば、
自転車操業でもどんぶり勘定でも潰れはしないんですね。
観賞魚業界と言うのが、ちょっとそう言う空気がある(笑)
加えて、犬、猫、小動物をも扱っているにも関わらず、
と言うところがちょっと深刻な印象を受けます。


そして直近では8/15に特定外来生物の指定対象種が
追加となりました。
ガンブシアなどは卵胎生に注力していたお店なら
キープしていたのではないでしょうか。
どの辺を狙い撃ちにするのかは選定する種類を
見ているとなんとなく見えますので、水草業界への
ダメージは当面のところ殆ど無いと言えそうですが
さて今後はどうなりますか。。。


余談ではありますが、すでに別会社になっているので
関係ないのですが、古くからのアクアリストはわかっては
いても感覚的に「ついに。。」と一瞬脊髄反射したのでは
ないでしょうか。
8/19に株式会社マリン企画とその関連会社エムピーシー
破産申請を行いました。
負債総額はそれぞれ約3億の計約6億。



以上は業界全体の話になりますが、代表的な事例として
挙げてみました。




2016年10月2日日曜日

ピクタム マイノリティ (3)

さて、今回も引き続き廃盤商品的緑三色のご紹介です。
ただし、どこかの商品とは異なり価値は上がりません。
ひたすら自分の趣味への邁進であり探求であります(笑)

第1回、第2回、ともにAZ便のピクタムでした。
まぁ物量を考えると当然の結果ですが、緑三色を
明確にここまで分けてリリースしている、つまり各地で
緑三色を採集しているのもAZ便だけという見方も出来ます。
副産物的ではあると思いますが(笑)
それでも個性ある緑三色を単なる緑三色(またはバイカラー)で
埋没させずに済んだのはまたこのおかげです。
ただし、世間的にはとっくに沈み切っていますが。。。

と言う訳で今回もAZ便緑三色づくし!



女子中学生シリーズ(笑)
JCS-b バイカラー AZ1212-1
JCSシリーズの緑三色。育成当初はほどほどだった株が
大きくなるにつれ2色目の面積が広がってきました。
ちょっと珍しいパターンですね。移動を頻繁に行ったのが
奏功したのか撮影時点ではなかなか綺麗に葉が展開してます。


右側の葉は葉先から半分くらいは殆ど地色が
ありません。ライトグリーンデビルですね(笑)
これが付け根まで広がるとかなり凄い!

イレギュラー産地?ちょっと独特。
Pandang AZ0213-3
独特の色合いと言うか質感と言うか。。。
必ず絣模様が入るところもまた良いですね。
PandangであってPadangではないです。
絣模様の面積が増えるにつれ、その独特の
雰囲気が更に不思議な感じを与えていると思います。
個人的な印象としては「木版画」っぽいと思っています。

葉脈に入る黄緑と絣模様、そして3色目の緑が
融合するとこれがまた何とも言えない。
AZ便屈指の細葉
サイレントナロー"スイカ" AZ0912-3
明らかに細葉です。風車してます(笑)
カッコイイですね。
そしてしっかり緑三色(笑)
良い感じの比率とコントラスト。
葉先付近に模様が寄り気味になっていると
ちょっと変な感じですね(笑)
風車してやるぞ、的な形になってますね。


いかがでしたか?AZ便の緑三色は本当にバラエティに富んでいます。
もちろん全てではないにしろ、緑三色だけでこれくらいの差を生み出す
ピクタムが凄いですね。

次回は気分を変えて(変わるのか?)AZ便以外の緑三色をご紹介します。
と言ってもサンプルはかなり少ないので番外編と言ったところでしょうか。

その後もう1回くらい出来そうです(笑)