2017年1月22日日曜日

時代は回るが。。。(2)

さて、本題です。


前述のアクアライフ2月号のモノクロページで
ショップさんに電話取材をして、やってほしい特集を
聞いてるんですね。(この企画も不定期に見ますね)
私はと言えば、最近はフィーチャーに水草が載ってるか
どうかだけ見るくらいなので、普段なら気づかないのですが
最初に書いた通りと言う訳で(笑)


当時は私も周囲もリアルタイムの当事者なので
プランツの1号、2号を見てエキノやホシクサを
始めたと言う人を恐らく知りません。また、編集部に
どの程度の反応があったか、どういう意見が
来ていたのか等原稿を書いた殆ど私は知らないため、
わりと身近な人達以外の面識がない人の感想を
見ることは殆ど無かった気がします。
なのでむしろ「本を見て興味をもってくれた人が
居たのか」という言う印象です。
もちろん喜ばしいことです。


マニアックな水草の特集と言うのはユーザーの熱量が
高いうちに打たないと、盛り上がりに欠けるのと、
そもそも被写体が揃わない。何より情報自体の鮮度が
ダダ下がりで、今更そんなこと言われても。。。と言う
ことになりかねない。
もちろん、どの層に向けて発信しているのかで受け取る
印象は異なるとは思いますが、こんなマイノリティを
取り上げるのですから、当然メインターゲットはマニアに
なるはず。であるならば、ある程度の期待に応えないと
いけないわけです。

あの頃(1~2号発刊時)はまだ余熱があったし、草自体も
私でもなんとなく全体像が把握できた。しかも黎明期から
ピークアウト前ながらも、見続けた中ギリギリに書けた
こともあって、辛うじて纏めることが出来たと思います。
しかしながら、最近の例で見てみると、ブセファランドラ
なんかが途中からもう把握不可能なように、エキノや
ホシクサも、入荷ルートが増えたり、事実確認が
不可能なものが増えたりしています。

そして現在、そういったこともありエキノの特集を
やったとしても、残念ながら代表的なタイプをなぞるだけで
終わる恐れがあります。
オパクスやサターン辺りは撮り直し可能かもしれませんが、
多くは予算と時間が合わない上に、前述の通り草自体が
揃わないので新しい資料としては物足りない。
ポルト系の微妙なラインは存在すら怪しいし、結局
タイプ違い産地違いを追わないのなら、ホレマニー、
オパクス、ポルト、イボレ系、サターンの5つで
終わってしまう。

ホシクサに至っては当時のマニアック種は現存するものが
殆ど無い。ネグロスターもペドラスターもエダウチも
すでに無い。もちろん近年も少しずつホシクサが入荷
しているようですし、インド便は誰の目にもルートが
明らかでわかりやすいと思うので、いっそのこと古いものは
殆ど載せないくらいにした方が良いかもしれない。


なのでもちろん現存する種をメインでやっても良いと
思います。私は2003年以降のことは殆ど把握していません。
なので、何がどのルートでやってきて、どのタイプなのか、
新しいタイプなのか、まだ見たことないものがあるのか
普通に知りたいと思います。
また、次世代のエキノ好き、ホシクサ好きに向けて
発信してくれる熱い人が居れば、どんな風に伝えて
くれるのか、ぜひ見てみたい。
どのジャンルも矮小化のスパイラルなので。


回りながら上に行くのか下に行くのか。。。


時代は回るが。。。(1)

アクア関係の仲間から、「ご指名ですよ(笑)」と言われたので
少し触れておきましょう。

と、まぁ本題に入る前に寄り道を。


月刊アクアライフ2月号の特集が

「自然とアクアリウムの融合」

と言うものでした。
その表紙を見た際、ページをめくる前に内容をざっと
想像してみたのですが、私は水草の人間なので基本的には
ここでは当然水草水槽についてのみ浮かぶわけです。

自然とアクアリウム、となるとまずはアトラスレイアウトに
なりますね。
今月号の表紙だとすぐにレッドカボンバとハセマニアが
浮かびましたが、魚はコロンビアメタエが正解でした。。。
ハセマニアはシルバーチップと言う名で古くから知られる
カラシンの1種で長谷マニア(なぜか変換出た)ではない(笑)
そのマニアも今はたくさん居そうですが。。。

で、アトラスレイアウト以外にどう融合させるのかと
やや不思議に思いながら中身を見ると、概ね
現地再現レイアウトでした(笑)
まぁそれ以上は難しいかな、と。
現地再現レイアウトも何年か置きに回ってきますね。
自生地の写真は私も好きなので嬉しいですが、
それを自分のアクアリウムに落とし込むのは
どこで線が引けるかでかなり内容が変わってくると
思います。
短時間で見本を作ってもやはり響きにくい。
そもそも特集記事で作り込んだものを掲載する
こと自体、無理なのかもしれません。
ただ、それではちょっと寂しいですし、やってみよう
と言うふうにはなりづらい。

現地再現=同産地縛り、と言うのもなかなか
キツイものはありますが、その制約も楽しめないと。。。
と個人的には思います。
でもまぁその辺は個人の自由ですが、どこまで
拘れるかが趣味じゃないかと考えています。
あとは水槽内に凝ったとしても、イメージをさらに
膨らませるのはやはり限界があるかもしれません。
と言うところから、水槽内の水草と周辺に配置する
植物を出来るだけ違和感や隔たりが無いように
トータルでレイアウトすること、まとめて遊ぶことを、
ダッチからヒントを得て10年ほど前から提案していこうと
やってきたわけです。
自然との融合なら、この辺も含めて良いと思います。

とは言うものの、これも以前にたしかアクアガーデンの
宮本さんがデナリーの器具を使ってパルダリウム
(現在流行っている?ものとはちょっと違う)をやっているので、
結局は私もトレースしているだけとも言え、ここでも時代は
回ってる感があると言えばそれまでなのですが。。。
変わったのはあの頃より植物の選択肢が格段に
増えていること、器具や部材がより使いやすくなっていること、
水槽が小型化していること等があるので、自由度が上がり
ハードルが下がることによって、可能性は広がっていると
思います。

まぁ本人が新しいことをやっているつもりでも、人間の
発想なんて天才以外は似たり寄ったりですからね(笑)


脇道にそれ過ぎたため、すぐ続く(笑)



2017年1月13日金曜日

エキノドルス ~アマゾンソードプラントの仲間~ Part4

今回は一歩踏み込んでエキノドルスの分類について
見てみましょう。まぁ私は専門家ではないので
ざっくりと導入部分だけですが(笑)

進化を続けるエキノドルスですが、その分類は
未だ発展途上と言いますか、興味のある人間が
殆どいないためか、忘れたころに何か進む程度です。

まず最初に近年1つ大きな動きがありました。

エキノドルスに対しては個人的にいくつかの疑問が
あり続けた訳ですが、近年その1つは氷解しました。
それは何かというと、普通のエキノドルスとチェーン系の
エキノドルスの花茎の形状が違いすぎること、そして
ランナーの形成です。
チェーン系のエキノドルスの花茎や構造、質感は
どちらかと言うとサジタリアに近く、どうにも違和感が
あったのですが、近年ついにエキノドルスから
ヘランシウムと言う別属に分類されてようやく腑に落ちた
と言う次第です。

エキノドルス改めヘランシウム アングスチフォリウム。
テネルス改めテネルムとは成長のリズムが違います。
本種はくるくる草ベスビウスの元ですね。


なので、形状や性質のバラエティが1つ欠落して
しまったわけですが、エキノドルスにはまだまだ
謎がたくさんあります。


エキノドルスには色々不思議に思う点があるのですが、
嫌でも気になる透明深緑葉系グループの形状です。
オパクスやポルトアレグレンシスにはそれぞれ
形質に差があるタイプが存在していて、どうにも
同種なのか?と感じます。

外見的な特徴から色々と想像するのは楽しいもので
私も様々考えることがありました。
しかしながらこちらをご覧ください。

普通は見る機会がないデータですね。
貴重です。外見上の特徴や性質などで
想像するのは楽しいですが、特に
エビデンスは無く、推測の域を出ません。
ただ、妄想するのはとても楽しい(笑)
と言うか、今まで妄想しかしてないし。。。


古くから仲良くして頂いてるお客様がエキノのDNA解析を
やってくれてます。
まぁ私は話を聞くだけになっているのであれですが。。。(笑)
なので、詳細はお客様のブログをご覧ください。
色々見えてくることがあって面白いです。
深緑以外の変わり種エキノについても解析をお願いしてます。
葉っぱのサンプルはうちから色々出させてもらいました(笑)

asukuzimのブログ

やはりちょっと変だな、と違和感なり不思議な感覚を
覚える種類は総じて意外なハイブリッドであることが多く、
性質などを見てみるとなるほど、と納得できるものもあれば
「なんでやねん!」と突っ込みたくなるものもあります(笑)

意外な種類で片親が同じであったり、これが親で
なぜこうなるか、と言うのもあったり非常に興味深い。
asukuzimさんも私もエキノ好きなので、深緑のみならず
黄緑の変わった種類も大好物なため、そちらの解析も
お願いしていますが、色々と分かったことがあります。

例えば、モンテカセロスにグラウカスの血が入っている、
と言うのはかなり良い答え合わせですね。私が育てた時は
水中葉の大きさが異なりましたが、画像で見た水上葉は
かなり似ている上に、粉吹き系だと言う証言があったことから、
我々極限られたマニアの中にあった仮説「モンテ粉吹き系?」が
解析により間違いではないと言うことがわかりました。


昔にパンタナール産のsp.として入荷した
グラウカスと思われるエキノドルス。
葉の表面は粉が吹いたような質感に
見えるため、私の周りでは「粉吹き」と
呼ばれています。粉と言うよりは
蝋燭を擦り付けたような感じですかね。

もちろん、asukuzimさんのような技術と環境を持ち合わせて
いないとここまで探ることは難しいのですが、多くのエキノドルスが
ハイブリッドであると言うことや、意外な由来、黄緑と深緑の
関係性等を少し意識しながら、外見上の特徴や性質を
眺めると、各種エキノドルスもまた違って見えてくるのです。
単に育てるだけでなく、いろんな角度から水草で遊ぶ
と言うことで面白さも倍増すると思います。


チェーン系がエキノじゃなくヘランシウムになってことで
私の夢だった透明深緑葉チェーンはかないませんでした。。。
葉が深緑で硬く、ランナーで増えるけど成長遅いとか
素敵だと思ったんですけどねぇ。


。。。続く